MacOSX で TeX。UTF-8に気づくまであと20分。

 数年ぶりだろうか、ひさびさにTeXを使いたくなった。
自宅のMacBookで使いたいと思い、こちらを参考にしてインストールさせてもらった。
 さっそく簡単なTeXソースを作って出力してみたものの、日本語が上手く表示されない。
フォント周りの設定等を調べてもおかしな点はない。はて?と悩むこと数十分。ようやく判明した原因は、いつもの癖でSJISでソースを書いていたことだった。
 nkf でソースを UTF-8に変換したら無事に表示できた。
 しかし、こうして見ると、温故知新だなぁ。nkfなんて20年近く使っているのではないか。emacstexもそう。いまでも現役で使えるのが素晴らしい。これぞ人類の叡智の蓄積だ。
あと数十年もすれば、「おじいちゃんから手ほどきを受けた子供が、大人になってTeXで論文を書く」?、みたいなエピソードも当たり前になるだろう。

「OpenCV詳解」は、本当に買って良かった。

先日も紹介(http://d.hatena.ne.jp/htee2006/20090901/1251827858)したが、オライリーOpenCV本、詳解 OpenCVは、本当に役に立ってくれている。買って良かった。

なぜ役に立つのか、その最大の理由は、眺めているだけで「APIの発見と再認識ができる」ことにある。ver0.9 のころから数年に渡って OpenCV を使っている私にもやはり発見があるのである。(私の今までの使い方が浅かったのかも知れないがw)

たしかに、OpenCVの純正APIマニュアルは、かなり充実している。 opencv.jp さんの尽力のおかげで日本語でも読める。しかし、実際に実用的なアルゴリズムを組もうとするとき、APIAPIをつなぐ「流れ」のようなものを掴む必要があるが、それには慣れというかコツのようなものが相当必要であった。

また、独特のネーミングセンスで命名された関数名や、純正APIマニュアルではその存在を知ることができない便利なマクロなどは、知らずに自作したりして、後になって「ああこんな関数があったんだ」と驚く(がっかりする?)ことがあった。例えば、 cvWarpAffine を使うときに欠かせない cvGetAffineTransform 関数の存在をなぜか最初私
は知らず(マニュアルでもすぐ隣にあるのに!)、自分でコーディングしていた。知っていればあの数十分だったかの時間を無駄にしなくて済んだのだ!。

OpenCV詳解」では、著者がガイド役になって、分かりやすいストーリーに沿ってOpenCVAPIを順に紹介=詳解してくれる。ちょうど、あえて自分の住んでいる街を巡る観光バスに乗り、ガイドさんの話を聞きながら車窓の景色を眺めている時のような感覚だ---車窓に映る街は一応知っている街なのだが、ところどころに今まで知らなかったスポットの情報が提供され、さらに深く、また新たな視点でその街を見ることができるようになっていく----運転する必要もなくただ耳を傾けているだけで、楽々と情報を仕入れていくことができるのだ。特に、"Structual Analysis" や "Motion Analysis", "Camera Calibration" 辺りの街並はそれなりに複雑で、所々に「知らないビルや路地」があったが、このガイドのおかげでかなり土地勘が深まり、見通しもよくなった。

というわけで、仕事や研究でこれから本格的に OpenCV を使いたい人には、本書は絶対にオススメである。たった4830円で、仕事にかかる時間をとてつもなく短縮してくれるだろう。

軍事系でもGPUが注目されている?

mil-embedded.com にGPUの紹介記事が上がっている。内容に新味はないが、軍事系のサイトで紹介されているのが興味深い。

Releasing the processing potential of GPUs
High-performance Graphics Processing Units (GPUs) have evolved from fixed-function graphics execution units to SIMD processors. Now, the key to implementing GPU processing lies in a new generation of tools including CUDA, OpenCL, and more to integrate code development across heterogenous CPU/GPU architectures.

HALCONがシーケンサ用組み込みライブラリになっていた

一時は「産業用、研究開発用の画像処理ライブラリの標準」を自認していたHALCONだが、近年のOpenCVの隆盛や、最新の研究成果もソースレベルですぐにネットで配信される時代になって陰が薄くなっていた気がする(値段もそれなりに高価だし)。久しぶりその名前を聞いたのが、下記のニュース。

e-RT3 2.0のCPUモジュールに,画像処理ソフト「HALCON」(独MVTec Software社)を採用する。このため画像処理ソフトを搭載したパソコンを利用したり,独自にプログラムを開発したりする必要がない。HALCONをリアルタイムOS上で動作させられる小型汎用コントローラは「業界で初」(同社)という。

シーケンサに内蔵させるとは、なかなか面白いアプローチである。

私も経験があるが、過酷な動作環境でも成立させなければならないFA系の現場ではパソコンを必要とする画像処理システムは厄介者になることが多々ある。頑丈でUPSもいらないようなシーケンサが愛用される所以である。

HALCONも従来はPC必須のシステムであった。画像処理ソフトで安定した売り上げを狙えるFA市場だが、そこへ入りこむためにはPCがネックの一つとなっていたのは間違いない。シーケンサに強力な画像処理エンジンがあればなぁ・・・というのはFA系の画像処理屋なら一度はもらしたことのある溜め息だろう。それがついに現実のものとなったのだ。

これは相当売れるシステムになるかもしれない。

人工視覚臓器をロボットがテストする---"Cyclops" Robot

現在実現できている人工網膜と同程度の性能(解像度、感度など)のカメラをロボットに取り付け、そのカメラの入力を使ってロボットの行動制御(ナビゲーション)に使える画像処理アルゴリズムを研究することによって、人工視覚を使っている患者を補助するシステムの開発につなげよう、というお話。

Robot tests visual prothesis designs