HALCONがシーケンサ用組み込みライブラリになっていた

一時は「産業用、研究開発用の画像処理ライブラリの標準」を自認していたHALCONだが、近年のOpenCVの隆盛や、最新の研究成果もソースレベルですぐにネットで配信される時代になって陰が薄くなっていた気がする(値段もそれなりに高価だし)。久しぶりその名前を聞いたのが、下記のニュース。

e-RT3 2.0のCPUモジュールに,画像処理ソフト「HALCON」(独MVTec Software社)を採用する。このため画像処理ソフトを搭載したパソコンを利用したり,独自にプログラムを開発したりする必要がない。HALCONをリアルタイムOS上で動作させられる小型汎用コントローラは「業界で初」(同社)という。

シーケンサに内蔵させるとは、なかなか面白いアプローチである。

私も経験があるが、過酷な動作環境でも成立させなければならないFA系の現場ではパソコンを必要とする画像処理システムは厄介者になることが多々ある。頑丈でUPSもいらないようなシーケンサが愛用される所以である。

HALCONも従来はPC必須のシステムであった。画像処理ソフトで安定した売り上げを狙えるFA市場だが、そこへ入りこむためにはPCがネックの一つとなっていたのは間違いない。シーケンサに強力な画像処理エンジンがあればなぁ・・・というのはFA系の画像処理屋なら一度はもらしたことのある溜め息だろう。それがついに現実のものとなったのだ。

これは相当売れるシステムになるかもしれない。