逆説的ゆりもどし。「CUDAでレンダラを書こう」

CUDAのようなGPGPUは、「グラフィクス・レンダリングのための演算回路を一般の計算にも使おう」という発想が原点である。
ところが、DirectXのような上位のAPIがどんどん進化し、過剰適応した結果として複雑化したため、プログラマの反発が生まれつつある。
ついには、CUDAで独自のレンダラーを書こうというプログラマも出てきているようだ。
「グラフィクス用デバイスの一般化インターフェイスであるCUDAを使って再度グラフィクス機能をプログラムする」という一見冗談のような逆説だが、複雑なAPIへの拒絶反応がそれだけ強いということか。

こうした意見を持つ開発者は多い。米国のトップ開発者の一人Tim Sweeney氏(CEO, Founder, Epic Games)は、2008年のCEDECで「グラフィックスAPIを介さない新しい時代が来る」と語っていた。また、IntelLarrabee(ララビー)の理念もそこにある。CUDAやOpenCLの上で、レンダラを書くというビジョンを語る開発者もいる。